キット入手の経緯
前回製作のムスタングと同じく、所属する倶楽部の新年会のイベントである
キット交換会で入手。
製作開始の経緯
後述するアクリルガッシュを筆塗りする塗装法を試したくて製作開始。
このキットにした理由は、レトロでマイナーな機種(キット)で、この塗装法に
マッチするのではと考えたため。
製作記事
このキットは簡易インジェクション(*)である。
たくさんある支柱は、整形の手間と精度を考えると、
真鍮線などに置き換えた方がよさそう。
(柔らかめの金属で金型を作っている。少ない資金で金型を作れるため、
小さいメーカーがマイナーな機種を出していることが多いが、
金型の傷みが早いため、概して生産数も少なく、精度もまちまち)
<組立て>
思ったより合いは悪くない。ただし支柱の接着位置にガイドがあるが、
左右でまるで合っていないので片方をすべて埋めてしまう。
以下、国産キットならば左右対称かどうかなど気にすることもないが、
水平尾翼の大きさ、胴体の曲がりなど、主に削り込んで修正する。
支柱は0.6〜1.0mmの真鍮パイプ製。これらをハンダ溶接して
組み上げ、中に真鍮線を通して瞬着で胴体に接着してある。
コクピットはほとんど椅子だけという、あまりにもさびしいモールドなので、
プラ材で適当に操縦桿、フットバー、計器板、予備の弾奏などを追加。
エンジンは1/72の96式艦戦(フジミ)、
エンジン前のカバーは同スケールの90式艦戦(ファインモールド)の
パーツをポリパテで片面複製し、削り込んで貼り付けてある。
機銃はプラ材と真鍮パイプなどからそれらしく。
風防は透明塩ビの薄いシート(イチゴのパック)を切り出して貼り付け。
<塗装>
今回アクリルガッシュ(チューブ入り画材絵の具、水性)を筆塗りしている。
まずラッカーのつや消し黒で全体を吹き、水で溶いた絵の具を筆で少しずつ
重ねることで塗装する。
通常ならきれいに本塗装を行ってからウェザリング、退色表現などにうつるが、
これらを一度に行っている。
要するにキャンバスに絵を描く作業と同じといえば、
イメージがつかみやすいのではないかと思う。
これは同じ倶楽部のT氏考案の塗装法で、印象派のような氏の作風を
取り入れたくて、技法をお教えいただいてまねてみた。
なおマーキングも同塗料の筆塗り。
<ベース・フィギュア>
ベースはフォトフレームに薄い木の板を貼り付け、中に発布スチロールの板を
敷きこんで石膏を流して作った地面に、同絵の具で着色した。
木の部分には着色ニスを筆塗り。
また水で溶いた木工ボンドをランダムに塗り、鉄道模型などに使う
グラスパウダーを3色振り掛けて草を表現してある。
フィギュアはハセガワのアメリカ現用機のクルーセットから、
ポーズを替えて、飛行帽やベルトなどをエポキシパテなどで表現してある。
なお飛行服の色などは白黒フィルムからの想像である。
<感想>
今回新しい表現のひとつとして、飛行機モデルではあまり見られない
方法での塗装を試してみた。
メリハリの利いたおもしろい表現になったのではないだろうか。
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